「墓石の代わりに樹木を墓標とするお墓のことです」。一般的にはこのような回答になります。“一般的には”という表現になるのは、実際の所、樹木葬に明確な定義がないからです。最近の樹木葬の実際を見てこの問いに答える場合は「墓石の代わりに樹木をシンボルにしたお墓。その他、大きな墓石を必要としない、樹木や草花に囲まれた期限付き又は永代供養が付いたお墓です」という答えになると思います。
最近の樹木葬は大きく2つの要素があります。まず、遺骨は大地に還す「自然葬的」な要素で、古来の葬り方に寄った考え方です。樹木や草花のもとに遺骨を埋葬しますが、そこに墓石の代わりに銘板（石板）を設置して故人の名前やメッセージを彫刻します。銘板の代わりに植樹したり植栽したりするものもあります。
もう一つが、承継を必要としない、永代供養も約束された「永代供養墓」的な要素です。少子高齢化、人口の都市部への流出、未婚率の上昇などの社会問題は、従来のお墓では基本的な“代を継ぐ”という事を困難にさせています。そういった問題を解決するために、期限付きで永代供養も付いた仕組みになっています。
泰平寺霊園樹木葬ヒーリングガーデンでは、遺骨を収骨袋に入れ替えて大地に還す「樹木墓」と、遺骨を収骨壷のまま一定期間納骨した後に、合葬して土に還す「永代供養墓」という2種類を明確に分けてご提案しています。また、従来のお墓と同じように承継も可能な家族墓もご用意しています。
このように、樹木葬には明確な概念はありません。ですから、お墓選びでは数カ所見学しながら検討することをお勧めします。私が一つアドバイスするとしたら「自分や子どもたち、友人知人がお墓参りをする場面を想像すること」です。お墓の購入はある程度の金額が必要になりますので、その契約に重点をおきがちです。しかし、お墓の目的は故人を納めて、お墓参りをして供養をする事です。「お墓を買うのではなく、お墓参りの体験を買う」という発想でお墓を選びましょう。また、樹木葬の場合はお参りされる方がいなくなってからの事も想像することも大切です。是非、良いお墓選びをしてください。
泰平寺霊園樹木葬プロデュース
オフィスISOLA株式会社 岡本一義
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